ヒミツの魔法を教えてあげるね☆

 みんなっ、初めましてっ。名前は『花園クルミ』って言うんだよっ。
 クルミちゃんはピッチピチの小学校5年生、まだ10歳だからまだまだ若いぴょんっ!!
 ‥‥え? なんで自分の事『クルミちゃん』って言うのって? だってクルミちゃんはクルミちゃんだもんっ!!
 えっとね、好きな勉強は国語と家庭科、特に縫い物は凄いんだよっ。自分で服が作れちゃうんだから。
 あ、そうそう。クルミちゃんね、将来、絶対なりたい仕事があるんだ。
 それはね、魔法使い!!
 だからね、今は凄くお勉強してるんだよ。テレビで魔法使いのアニメを見てね、呪文とか、ポーズとか覚えたりね。
 さっき言ったけどその服とか作ったりして、一杯頑張っているんだよ。
 でもね、クルミちゃんのマミィやダディはね、信じてくれないの。
 あーっ、その目は信じてないーっ!!
 でもね、クルミちゃんにはちゃんと魔法が使えるっていう証拠があるんだよ。
 この前、窓に掛かっているカーテンに『えいっ』って力を出したら、少しだけ動いたんだよ(注:風に揺れただけ)。
 それに昨日なんか、走っている車を止めたんだよっ!! 凄いでしょ(注:そりゃ、いきなり道路のド真ん中に出れば、誰でも急ブレーキして止まります)。
 だからね、絶対に魔法使いになれるんだもんっ!!
 それに、クルミちゃんの事を分かってくれている人も沢山いるんだよ。
 クルミちゃんのホームページを作ってね、それにクルミちゃんの服とか、日記とか出しているんだよ。
 あ、ホームページに日記書かなきゃ、じゃあね。

(お前は、本当に魔法使いになりたいのか?)
 え‥‥何コレ‥‥パソコンのスイッチ付けてないのに‥‥?
(魔法、使いたくないのか?)
 う‥‥うん!! もっともーっと魔法を使ってみんなを幸せにしたいっ!!
(ならば授けよう、その力を)
 えっ‥‥本当‥‥や、やだ眩しいっ!!

 ‥‥? 何? 今の‥‥? パソコン‥‥普通になってるし‥‥気のせいかなぁ‥‥?
 いいや、今日は寝ちゃおうっと。


 おっはよー!!
 今日も元気に学校に行ってきまーす。

 ‥‥あれぇ、道路の真ん中でお婆ちゃんが慌ててるみたい。でも車は止まってくれないし‥‥どうしよう‥‥?
 あ、そう言えば‥‥でも本当かなぁ? ええぃ、やっちゃえ!!
『ぱぴりぽぱぴりぽきろきろりん☆ みらくるぱわーで、車よ止まれ!!』(注:クルミちゃんオリジナルの呪文らしいです)
〈キキキーッ!! どかべきべこごけぐしゃ〉
「おいなんだ!! ちゃんと前を見ろよ!!」
「分かんねーよ、急に目の前に大穴が開きやがった。俺の方が聞きてぇよっ!!」
 ‥‥すごーい!! 本当に車が止まった!!
 これでお婆ちゃんも安心だねっ!!

 あ、今度は猫さんが段ボール箱の中で震えている‥‥何かの病気かなぁ‥‥よーし。クルミちゃんのお手製のお薬で、いろんなハーブを漬け込んでるからきっと良く効くよ。『ぱぴりぽぱぴりぽきろきろりん☆ みらくるぱわーで、猫さんふっかーつ!!』(注:クルミちゃんオリジナルの(以下コピペ))
〈しょげぇーっ!!〉
「何だアレはっ!?」
「かっ、怪獣だぁっ!! 逃げろっ!!」
「自衛隊を出せっ!!」
 やったぁっ☆ 象サンよりも大きくなって元気良くなったぞ。

 これで、みんなを幸せにできるねっ☆
 今日からクルミちゃんは『みらくるまじかる☆クルミちゃん』だねっ。